花粉症対策について

 みなさん、いかがお過ごしでしょうか。そろそろ花粉症の方は気になる季節になりました。例えば、スギ花粉の飛散は前年夏の気象条件によって大きく左右されます。飛散する花粉が少なければそれだけ症状の現れ方は弱くなり、例年よりも軽くすむ方が多いと考えられます。しかし、スギ花粉の飛散量は少なくなるとはいえ、ゼロになるわけではありません。前年までの花粉によって体内に蓄積されたアレルギー抗体は減少しても、なくなるわけではありません。体内に残って、花粉などの抗原との接触によりアレルギー症状を引き起こす準備状態にあるのです。そのため今まで発症していない人も、次のシーズンの花粉飛散でアレルギー抗体の蓄積量が一定のラインを超え、発症してしまう恐れがあるのです。早めの対策で、花粉の季節に備えましょう。

花粉症と風邪 ~症状の違い~

症状 花粉症 風邪
くしゃみ 連発、何回も続く、特に朝方 単発、数発
鼻水 無色透明、サラサラ 水っぽいことが多い 無色、白色、黄色、緑色
粘りがあることが多い
他の症状 目のかゆみ、充血、涙目、頭痛、頭重感、
だるさ、皮膚のかゆみ、咳、のどのかゆみ
不快感など
熱、咳、たん、のどの痛み、
目の充血、節々の痛み、頭痛
、お腹の症状など

症状がでる前の対策

本格的な花粉飛散の前に医師の診察を受け、花粉シーズン前・ピーク時に合わせて薬を服用することで、花粉症の症状を緩和させることが期待できます。
予防内服として花粉シーズンの始まりの2週間前(1月下旬ごろ)から抗アレルギー剤を飲み始めるなど、症状の出る前から早めの対策を相談してみましょう。

病院の受診は早めに
花粉症を発症したら、医師の診察が必要となります。花粉症の薬物治療には段階があり、症状の出る前から治療する初期療法、症状が強くなってからの導入療法、良くなった症状を維持する維持療法と段階が進み、それぞれの状態に合った薬が用いられます。また、鼻の症状や目の症状が強い時には点鼻薬、点眼薬も処方されます。初期療法には、症状の出現を遅らせる、症状を軽くする、薬の量や頻度を少なくするなどのメリットがあります。


花粉症対策セルフケアのポイント

花粉と接触しないこと
花粉症を発症している人もしていない人も、花粉と接触しないようにセルフケアをすることが一番です。
・飛散の多い日は、窓・戸を閉めておく
・飛散の多い日の外出時にマスク・メガネを着用する
・外出時、ニットや毛織物などの洋服よりもスベスベしたポリエステルなどの方が、花粉がつきにくい
・帰宅時、衣服や髪をよく払ってから家に入り、洗顔、手洗い、うがいをする
・掃除をする、花粉を舞い上げないよう、拭き掃除をしてから掃除機をかける

リスクを減らすためのドライアイ対策
花粉 シーズンになると、目のかゆみ、充血、涙目といった症状に悩まされることがあります。これはアレルギー性結膜炎といって、目の表面にアレルゲンとなる花粉が付着することで起きた過剰な免疫反応です。アレルギー性結膜炎は、最近増えている「ドライアイ」と深い関係があります。この二つは合併しやすく、どちらかをきっかけにもう一方が発症し、互いの症状を悪化させます。普段から目が乾きがちな人、パソコンなどで目を酷使している人など、ドライアイの素因を抱えている人は要注意です。花粉症になりやすいことを自覚し、前もって対策を講じておくとよいでしょう。
花粉症対策で大切なのは、炎症を起こさないことです。一旦アレルギー症状が出ると、炎症を招く悪いサイクルにはまってしまいます。症状が出る前に眼科で相談して、抗アレルギー薬や点眼薬などの予防薬を処方してもらいましょう。

ドライアイとは
涙の量が減って、目の防御機能が低下し、目がアレルギーを起こしやすい状態。主な原因は、パソコン作業、読書、車の運転などによる目の酷使、エアコンによる空気の乾燥、ストレスなど。放っておくと目が乾くだけでなく、目の表面が傷ついて感染症や視力が落ちることもあります。日ごろから、パソコンやテレビは目より下方に置き、目が疲れたらこまめに休息、目を温めることも効果があります。特に、冬季は室内の保湿にも心がけるとよいでしょう。

目を花粉症から守るポイント

・眼鏡を着用して目に花粉を寄せつけない
・花粉の時期はコンタクトレンズを使わない。やむを得ない場合は使い捨てタイプを使用する
・目をこすらない、目を洗う
・普段からドライアイの予防に努める

鼻を花粉症から守るポイント

・症状が出る前に早めに受診する。鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの鼻の症状が現れるのを遅くし、症状を軽くするには、初期療法が有効とされています。花粉が飛散しはじめる前に耳鼻科に行って診察を受けるとよいでしょう。
・症状が出たら、自分の症状に合った処方薬を受ける
・マスクを活用する、薬に匹敵する効果がある
・鼻が乾燥しないように気をつける。鼻は乾燥すると敏感になり、知覚神経が刺激を受けやすくなるので、クリームをぬるなどして乾燥を防ぐことも大事です
・鼻水はやさしくかんで、かみすぎない
・入浴する、髪の毛や顔に付着した花粉をきれいに落とせるうえに、血液の流れの改善にも役立ちます。鼻づまりは、鼻の粘膜がむくんで空気の通り道が狭くなった状態なので、症状が軽くなることも期待できます

その他の花粉症対策

花粉症の症状は、体調に影響されることも多いようです。風邪をひかないことが大切です。また、深酒も花粉症の症状を悪化させます。睡眠不足、不規則な生活、過労、ストレスなども自律神経が乱れ、免疫機能が正常に働かなくなり、アレルギーを引き起こす原因となります。バランスのとれた食事を心がけること、特に免疫機能の維持や目・鼻の粘膜を保護する食材として、大葉や青魚、トマトなどが有効とも言われています。ネギ、ニラ、ショウガなどは体を温め、症状を緩和します。また、疲れがたまらないように、普段から生活習慣を整えておきましょう。

参考:
花粉観測システム(愛称:はなこさん)
日本アレルギー協会ホームページ

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