newへるす No.34
13/36

11繰り返す、といった経過をたどります。喘息の発作は風邪を契機として起こることが多いですし、風邪の症状がいつも同じであることは不自然ですから、風邪の時いつも咳が長引くような人は気管支喘息が考えられます。ちなみに、喫煙者で常に咳・痰・喘鳴の症状があるような人は慢性気管支炎、慢性閉へい塞そく性肺疾患が考えられ、喘息と同様に風邪などの影響で悪化寛解はしますが基本的には不可逆性で、そこが喘息と違うところです。④喘息の反応は二相性です 「昼間に咳込んで息切れがしたので、風邪薬を飲んだら楽になった。風邪症状かと安心していたら、夜中に再発して苦しくて眠れなかった」という症状経過も典型的な喘息症状です。気管支喘息は基本的にはアレルギー疾患ですから、ダニ・ハウスダスト・カビ・動物の毛などさまざまなアレルゲンに反応して発作を起こします。このアレルギー反応は、15~30分で起こる即時型反応と4~6時間たって起こる遅発型反応という二相性です。つまり第一波と第二波が来ます。しかも第二波の遅発型反応は即時型よりも強く、長引きます。昼間に家の掃除をしてホコリを吸ったときなど、このような症状経過になります。⑤咳喘息 喘鳴や呼吸困難を伴わず、痰のからまない乾いた咳が長く続くタイプの喘息もあります。咳症状は8週間以上続いたら慢性咳がい嗽そうといい、その約4割が咳喘息です。咳喘息を発症した人の三分の一は気管支喘息に移行するので適切な管理が必要です。⑥発作を起こさせたり増悪させる因子はさまざまです ダニやホコリなどアレルゲン暴露は発作を誘発しますが、ほかにも室内外の大気汚染(受動喫煙やPM2・5、黄砂など)・インフルエンザなどの感染症・運動・天候(気温や気圧の変化)・食品添加物・アスピリンなどの薬剤・ストレス・過労・飲酒・肥満・月経・妊娠などさまざまな因子が発作を誘発、増悪します。トピックス気管支喘息は子供や若い方だけの病気ではありません

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る