newへるす No.34
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4トピックス心を集め始めた「大腸がん」について、できるだけ簡単に分かりやすく説明してまいりましょう。①大腸の構造と役割 消化管とは、口から肛門まで続く1本のトンネルであり、摂取した食物の消化および吸収と、不要物の排泄を担当する器官です。 全長が2メートルほどの大腸は消化管の最後の部分に位置していて、大きく分けると盲腸・結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)・直腸・肛門から成り立っていますが、その主な役割は、腸管を通っていく内容物から水分を吸収することにあります。 私たちの口から摂取された食物は、小腸で栄養分が吸収されて残りかすとなり、その後大腸に液状のまま流れ込むと、大腸壁から水分が吸収されて徐々に固形化し、最終的には肛門から便として排泄されるという仕組みになっているのです。②大腸がんが発生する理由 大腸がんには、大きく分けて2種類の発症機序があると考えられています。一つは、大腸粘膜に発生する良性の隆起であるポリープ(腺腫)が、何らかの原因でがん化した場合。もう一つは、まったく正常の大腸粘膜から直接がんが発生する場合です。いずれの場合も、なぜがん化するのかという詳しいことまでは分かっていませんが、がんを誘発しやすい要因、いわゆる危険因子については幾つもの報告があります。例えば、最も有名なものは「食生活の欧米化」です。これは、わが国で赤肉(牛や豚、羊の肉など)およびハムやソーセージといった加工肉が多く食べられるようになり、それを消化するために分泌される多量の胆汁酸が腸の中で発がん性物質になるという考え方で、大腸がんが近増加する大腸がん~今、女性のがん死亡率1位であることをご存じですか?~

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