newへるす No.40
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る場所には「記憶」を司る中枢があり、前頭葉には「思考」、「判断」、「感情」などのほか「運動」に関わる領域が存在します。また、側頭葉と前頭葉にはそれぞれ「言語」の中枢があり、これらの部位がダメージを受けると失語症と呼ばれる状態になってしまいます。大脳は、私たちの知的な活動、喜怒哀楽といった感情、身体活動などを統合的にコントロールする、いわば人体機能の司令塔なのです。次の小脳は後頭葉のすぐ下に位置し、身体のバランスを調整したり、手足が滑らかに動いたりするようコントロールを行う場所です。人間が運動を続けるうちにだんだんと身体能力がアップしていくのは、過去の体の動きが小脳に記憶されて保存されるためで、誰もが何気なく普通に動いていられるのも、実は小脳のおかげであることを知っておいてください。最後の脳幹はさらに細かく分かれていて、間脳、中脳、橋きう、延髄といった部位から成り立っています。大脳の真下にあり、後方には小    ょ  4脳が控え、さらに下にたどるとそのまま脊髄に続いている脳幹は、ウインナーソーセージ程度の太さしかない小さな器官ですが、大脳が体の各場所に向けて発信した命令や、逆に体の各部位が大脳へフィードバックしてくる情報がすべて通過する場所であり、ここが障害されると体のあらゆる重要な情報が遮断されてしまいます。睡眠と覚醒、意識の有無などを調節する中枢が存在するため、脳幹の機能が侵されると意識障害、呼吸の停止などが起こり、生命を維持することが困難になります。また、間脳には「視床下部」や「脳下垂体」といったホルモンの調節を行う部位もあり、いかに小さいさらに、脳幹には呼吸や血圧、

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