newへるす No.40
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症するものを指します。2つめは「ラクナ梗塞」と呼ばれるタイプの脳梗塞で、これは主として細い血管が詰まるために、小さな脳梗塞巣が出現するものです。高血圧の患者さんやご高齢の方によく認められるのですが、無症状のまま人間ドックなどで脳の検査をお受けになった際、偶然見つかるケースも多いのです。そして最後のタイプは、「心原性脳梗塞」。元々、心房細動といった不整脈をお持ちの方は、心臓の動きが不規則になるため血液が心臓の中で停滞しやすく、血液が固まって血栓を形成する可能性が高くなります。やがて、徐々に大きくなった血栓が前触れもなく血流に乗って脳に飛んでいくと、ある日突然脳梗塞を発症するのです。心原性脳梗塞の場合、広範囲にわたる梗塞巣が出現しやすく、最悪の場合、死に至ることも決して少なくありません。これらの脳梗塞に対する緊急治療において最も重要なのは、発症してから治療を開始するまでの時間です。近年は医療技術の発達によって、脳梗塞が発症してから4・5時間以内であれば、tPAという血栓溶解剤を使って脳血流の再開通を図る治療法があるほか、発症後8時間以内なら、カテーテルを用いて血栓を除去する治療法を行うことで、脳梗塞後遺症の症状を大幅に改善できるようになりました。尿病、脂質異常症、心房細動のような不整脈、喫煙、過度の飲酒、肥満などであり、内科的治療を主軸としてこれらの要因を遠ざけるよう努め、健康的な日常生活を送るのが肝要です。        6④一過性脳虚血発作(TIA)脳梗塞の危険因子は高血圧、糖この疾患は名称の通り、一過性

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