newへるす No.40
10/40

狭い頭蓋骨の中で脳内出血を起こすと、脳が膨張して逃げ場を失い、はみ出した脳幹などが頭蓋骨下部の穴にはまり込んでしまいます。その結果、呼吸停止などが起こって生命活動が維持できなくなり、死に至ることも少なくありません。この脳ヘルニアを含め、脳内出血の症状は出血した部位によって違いがあり、それがそのまま脳内出血の分類になっています。ひとつずつ説明すると、被ひ殻かという脳出血が最も起こりやすい部位での出血は主に片麻痺が出現し、視床という部位での出血では頭痛などの感覚障害が強くなり、脳幹出血は昏睡状態に陥るなど予後が最も悪く、小脳出血では歩行困難などの運動失調が、そして皮質下出血と呼ばれる大脳皮質の下で起こる出血は、意識障害などが起こるものの症状自体は総じて軽いのが特徴です。脳内出血の危険因子は脳梗塞とほとんど同じですが、死亡率がきわめて高いため、危険因子を多く持つ方は生活習慣の徹底的な見直しと、高血圧をはじめとした基礎疾患の治療を必ず行わなければなりません。⑥くも膜下出血 「くも膜」とは、脳と頭蓋骨との間にあり、脳を保護している膜のことです。くも膜と脳との間には脳脊髄液が流れるための若干の隙間があって、このくも膜下腔と呼ばれる空間に存在する動脈が突然破裂し、脳の表面に出血することをくも膜下出血といいます。脳動脈瘤の破裂であり、くも膜下出血のおよそ80%以上を占めています。で経験したことのないような激しい頭痛に襲われます。その痛みは、「バットで頭を殴られたような痛発症する原因として最多なのがくも膜下出血を起こすと、今ま く     8

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る