newへるす No.40
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圧の低下は、胃から食道への逆流も生じ、逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)にもなり易くなります。夜間睡眠中の胸の痛みや咳込み・胸やけ、起床時の胸やけなどを感じている方はSASによる逆流性食道炎の可能性が高いです。お酒を飲んだ翌朝の胸やけは二日酔いだけではありません。そして、SASは、糖尿病の原因,増悪因子にもなります。糖尿病患者の7割がSASを合併していたという報告もあります。SASが関与する交感神経の興奮やストレスホルモンの過剰分泌は、血糖値を上昇させ、内臓脂肪が蓄積し、インスリンの作用を低下させて、糖尿病を誘発したり悪化させたりします。米国での調査によるとSASの    の重症の人が放置されていると9人は正常人と比べて糖尿病は1・5倍、高血圧は2倍、心疾患は3倍、脳卒中は4倍も発症率が高く、また無呼吸数が1時間に20回以上年後にはその4割が心疾患、脳卒中、交通外傷などで死亡していたという結果が出ています。診断のための検査は、まず初めに、自宅で胸郭運動や動脈血酸素飽和度を観察する簡易検査を行います。その結果、呼吸停止の回数や酸素飽和度の低下が顕著な場合はSASと診断されます。簡易検査で診断できる程ではないが異常であった場合は、次に、終夜睡眠ポリグラフ(ポリソムノグラフィー:PSG)という種々のモニター(脳波、筋電図、眼球運動、胸郭運動、動脈血酸素飽和度)を一晩つける入院検査を行うことにより診断されます。簡易検査もPSGも痛みや危険を伴う検査ではありません。診断基準13

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