そこで保存のための冷凍技術は、食品をより早くより低温にするための方法を目指すようになっていったのですが、技術開発にさらに拍車をかけたのは、美味しさと栄養価維持の追求でした。その結果、さまざまな急速冷凍技術や長期間冷凍温度を保つ方法が生み出され、それらがより進化したことで、冷凍食品は安心で美味しいものとなったのです。冷凍は食品保存のための方法ですが、半永久的に保存できるわけではありません。長期にわたり腐敗しない、食中毒菌が増えないのは確かですが、冷凍焼、乾燥などによって食品の品質は落ちてくるため、いわゆる「美味しく食べられる期限」があります。一般的に食中毒の細菌が繁殖しない条件は、マイナス18℃で保った場合一年間とされていますが、家庭の冷蔵庫は開け閉めなどもあり、常にマイナス18℃以下に保っておくことはできないので、一年間が経過する前に使い切るのが良いでしょう。また惣菜やご飯類、麺類など解凍してそのまま食べられるものは、各食品メーカーの賞味期限を守っ た方が美味しく召し上がれます。ところで、冷凍食品のメリットとして保存料が使われていないことが挙げられますが、他の食品添加物は必要に応じて使われていることが多いので、念のためチェックしましょう。さらに惣菜やカット野菜、昨今人気のミールキッドなどは、原材料の情報にも気を使うようにしたいものです。配もいらないという冷凍食品には、もう一つ大きなメリットがあります。すが、冷凍することで栄養価が増すものがあるという点です。代表的なものとしては、ブロッコリー(ビタミンC、βカロテン、ルテイン)、ニンジン(ビタミンC、保存添加物がなく、食中毒の心それは全ての食材ではないので■市販冷凍食品の賞味期限■冷凍食品の栄養価34
元のページ ../index.html#36