に脳へ血液が行かなくなり、脳梗塞とほぼ同じ症状が出現するものの、短時間のうちにその症状が消失してしまう状態をいいます。発作の持続時間は数分から１時 の症状を引き起こすものの、その間以内といった程度で、麻痺なども残さずきれいに症状がなくなってしまうのが特徴です。ＴＩＡの症状が劇的に改善する理由は、脳の血管の中に詰まった小さな血栓が一時的に脳梗塞同様血栓がすぐに外れ、脳への血流が再開通するからなのですが、だからといってＴＩＡはそれで完結というわけではなく、ＴＩＡの発作が出現すると、その後ほどなく本格的な脳梗塞を起こす可能性の高いことが知られており、必ず入院してなるべく早いうちに予防的治療を開始しなければなりません。また、退院後は脳梗塞の予防と同じように、高血圧や脂質異常症などの治療および食事をはじめとする生活習慣の管理をきちんと行い、血液をきれいな状態に保って再発防止に努める必要があります。⑤脳内出血スターリンを襲った脳出血。ここでは、脳出血の中でも、脳の内部で出血を起こす「脳内出血」について解説いたしましょう。した血管が高血圧に耐えられなくなり、ついに破裂してしまうことによって起こります。内に溢れ出た血液がやがて凝固して「血腫」となり、脳の組織を圧迫したり神経細胞を破壊したりするため、様々な神経症状が出現するのです。然の頭痛で始まり、意識消失、吐き気、嘔吐、片麻痺などを認めますが、その経過中に起こる一番怖い病態が「脳ヘルニア」でしょう。7脳内出血は、動脈硬化で脆弱化脳の比較的細い動脈が破れ、脳主な症状としては、おおむね突
元のページ ../index.html#9