newへるす No.41
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うりょうの政治の中心であった平城京の中央官庁までもがロックダウンし、当時の日本人口の3割ほどが死亡したと続日本記に記されているとあります。そんな中、天皇は大陸渡来の仏教に救いを求め、東大寺での大仏建立を決意。民は不眠不休の労働を強いられ、今で言うところのブラック企業状態。そして、大仏に金箔を塗布する作業(塗金)をする人々の間に、摩訶不思議な病が頻発。塗金の際の金アマルガム法で生じた水銀蒸気を吸入したことによる水銀中毒だったのではないかと考えられています。天皇は救いを求めたのでしたが、それとは裏腹に、庶民にとっては生き地獄であったことでしょう。また、「火の鳥 中では、大仏が涙しているとの描写がされていました。物語後半には主人公の一人である我王の涙するシーンも描かれていますが、大仏の涙に対応しているかのように感じられ、手塚ワールドに引き込まれる、ジーンとくる部分です。是非とも皆様も御一読のほどを。ただ、作者である手塚治虫は大仏の涙については、作業中に発生した蒸気が夜間、液化し眼の窪みにたまったことで涙であるかのような現象となったのでは…と科学的な注釈を付け加えておられました。鳳凰編」の◎奈良時代、天然痘が猛威今をさかのぼること千三百年ほど前の天平年間、聖武天皇の御代。巷には疫病が溢れ大混乱となりました。その時代を題材としたのが、私の愛読漫画「火の鳥」。その「鳳凰編」の中に奈良の東大寺大仏建立に至った経緯が描かれています。今から想像するに疫病の主体は天然痘だったと言われていますが、地震の連続・干ばつ飢饉・政局混乱・人心の乱れ…魑ち魅み魍もも闊歩する(?)パンデミックだったようです。駿台予備学校世界史科の茂木誠による著書「感染の文明史 人類は何を学んだのか」(出版社:kadokawa)の中には、時 魎 18

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