newへるす No.41
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イベントを安全に楽しみ、感染をさらに拡大させないためには、一人一人がご自分で実行できる従来通りの感染対策(必要な場所でのマスクの着用、手洗い、うがいなど)を一斉に止めるのでなく、是非これからも常に念頭に置いて継続していただくことが大切であると思います。そんな筆者は、立場上気軽にイベントや外食に出掛けることもできず、コロナ禍の間にすっかり身に付いた、自宅での食事およびその際の映画鑑賞という習慣を地道に続けています。それはそれで愉しいものであり、先日も数十年前の医学生の頃に鑑賞したある映画を、久しぶりにもう一度観ることができました。名優ジェラール・フィリップと肝臓がん皆様は「モンパルナスの灯」という、1958年に公開されたモノクロのフランス映画をご存じでしょうか。薄幸の天才画家として、今もなおその名声が色褪せないアメデオ・モディリアーニの短い生涯を描いた名作です。モディリアーニの遺した素晴らしい絵画の数々に若い頃から魅せられていた筆者は、数十年ぶりのこの映画を新たな感動とともに見終えました。たのは、1950年代当時から「貴公子」と称賛され、のちに「フランス映画界の至宝」とまで呼ばれるようになった名優のジェラール・フィリップ。あまりにも優美かつあまりにも儚く、伝説的な美男であった実際のモディリアーニその人ではないかと錯覚させるほどのリアリティーを感じさせていたのに改めて驚きました。しかも皮肉なことに、ジェラール・フィリップはこの映画に主人公のモディリアーニを演じ彼が演じたモディリアーニは、3

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