newへるす No.41
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出演した翌年、モディリアーニの享年とまったく同じ36歳という若さでこの世を去るのです。ジェラール・フィリップが若くして亡くなった事実は存じ上げていましたが、詳しく彼の生涯を調べてみると、その死因が肝臓がんであることを今回初めて知りました。我が国において肝臓がんは、近年いくつかの理由から患者数や死亡率が低下傾向に転じているがんです。だからといって、決して軽視していいわけではありません。いわゆる「5大がん」のひとつですから、他のがんと同様に早期発見・早期治療が必要であるのは当然のことでしょう。でも、なぜ肝臓がんは減少傾向に転じたのでしょうか。また、以前とは違う、何か新たな問題点は生じていないのでしょうか?今回、ジェラール・フィリップの不朽の名作を再度鑑賞したことに端を発し、偶然ながら筆者も肝臓がんの最新事情に改めて触れるいい機会を得ました。今年の拙稿は、皆様にも肝臓がんについての知識を深めていただくために執筆いたしますので、これから分かりやすくご説明していきたいと思います。①肝臓とはどんな臓器?ぐ下の腹腔内に存在し、成人の場合1㎏以上も重量があって内臓最大の大きさを誇る、みっちりと充実した臓器です。には、肝動脈や門脈といった太い動静脈をはじめとした大小の血管が豊富に通っているほか、胆管と呼ばれる管も走行しており、肝臓で作られた胆汁という消化液を十二指腸まで運ぶ水路の役目をし肝臓は、横隔膜を挟んで肺のす左葉と右葉に分かれている肝臓4

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