ています。ちなみに、その水路の途中でいったん胆汁を貯蓄しておくための袋が、肝臓の裏側に付いている胆嚢です。この胆管はさらに細かく分類され、肝臓内を通っている部分を肝内胆管といい、肝臓から出ると肝外胆管と呼ばれるようになるのですが、「肝内胆管」はのちに重要なキーワードとして再度登場しますので、ぜひ覚えておいてください。体内における肝臓の役割は3つあり、1つ目は食事で摂取した栄養素を体に必要な形に変えて貯蓄すること(エネルギー代謝)、2つ目は体に有害な物質を解毒すること(薬物代謝)、そして3つ目は先述しましたが、小腸内で脂肪などの消化に関与する「胆汁」を産生することに大別されます。1つ目に示したエネルギー代謝によって肝臓内に貯蓄される代表的な栄養素は、糖質、蛋白質、脂質などで、これらは体の状況に応じて貯蓄庫から引き出され、エネルギーとして使われます。普段から適切な量の栄養摂取をしている方なら問題はないものの、常習的な暴飲暴食により過剰な栄養素が体内に入ってくる方の場合ですと、肝臓に貯蔵される脂肪なども増えてしまいます。これが、皆様にもおなじみの脂肪肝の原因なのです。物質は主にアルコールや薬剤であり、いずれもそのまま体内に残ると有害なものとなってしまうため、肝臓で無害な状態になるまで分解しなければなりません。従って、大量にお酒を飲む方の肝臓には、通常よりも解毒のための負荷がたくさん掛かることになります。お酒の飲み過ぎで肝機能が悪くなる、とよく言われるのにはこのような理由があるのです。2つ目の薬物代謝の対象となる5
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