newへるす No.41
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がん剤などの化学療法を中心に行います。原発巣としては消化器系の臓器が多いといわれていますが、特に大腸がんの肝転移の場合は外科手術による治療成績が近年向上してきており、それに伴って積極的に切除を行う医療機関が増えてきました。③肝臓がんの原因ここから先の解説は、肝臓がんの大半を占める肝細胞がんについての内容であることをご了解ください。冒頭に記した通り、現在、我が国の肝臓がんの患者数や死亡率は減少傾向にあります。特に死亡率は、ここ数年で男女ともに4位から5位へと下がりました。この好ましい傾向の理由として、肝臓がんの発症原因の主軸であるC型肝炎やB型肝炎などの慢性ウイルス性肝炎の患者数が着実に減少してきた点が挙げられるでしょう。以前から、肝臓がんの発症原因として最も多いのはC型肝炎です。C型肝炎ウイルスの持続的な感染により慢性肝炎を起こすと、やがて肝硬変となり肝臓がんへ進展する方が多く、我が国における肝臓がんの原因の約半数がC型肝炎であるといわれます。しかし、近年になりC型慢性肝炎に対し劇的な効果を示す薬が開発され、治療成績が一気に向上したことで患者数が減少した結果、肝臓がんの患者数も死亡者数も低下してきました。2万5千人の方が肝臓がんで死亡しており、慢性ウイルス性肝炎の患者数が減少していく勢いと比較すると、死亡者数はそこまで激減していません。とはいえ、実は今でも年間約これは一体どういうことなので7

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