健康かわら版 2月号 「女性の健康」について

 まだまだ寒い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は「ホルモンバランス」をテーマに、女性のホルモンバランスの変化から来る不調についてお伝えしたいと思います。女性だけでなく男性の皆さまにも参考にしていただければと思います。

女性の健康とホルモンの関係

 女性の心と身体は、男性に比べて不調な時期が繰り返されたり、体調や気分が乱れやすいものです。それは、女性の身体が一定の周期で交互に分泌される女性ホルモンによってコントロールされているからであり、その女性ホルモンが女性の心と身体に作用しているからと考えられています。

「ホルモン」って何?
ホルモンとは血液中に含まれるごく微量の物質のこと。ホルモンは全身の至るところで作られ、身体の健康維持のために色々な機能を調節する働きがあります。ちなみに、女性ホルモンはピコグラム単位といわれ(一兆分の1g以下の重さ)専門家でも見たことがない人が多いそうです。それくらい微量の物質なんですね。そんな微量な女性ホルモンですが、実はとっても大事な働きをしているんです。

女性ホルモンとは・・女性が妊娠・出産できる身体を作るために、脳が指令を出して卵巣で作られる、エストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンの総称です。この2つのホルモンの働きによって、一定の周期の月経サイクルが生まれ、妊娠するための準備が繰り返されています。

女性ホルモンの働き

エストロゲン 女性らしい身体を作り、子宮に作用して妊娠に備える働きがある。
・肌のうるおいを保つ ・髪をつやつやにする ・動脈硬化の予防 ・記憶力を高める ・骨粗鬆症の予防 ・気持ちを明るくする
プロゲステロン 受精卵を着床しやすい状態に整え、妊娠を継続させる働きがある。
・むくみ ・精神不安定になる ・吹き出物が出来やすくなる ・基礎体温を上げる ・胸が張る感じがする

女性ホルモンの分泌サイクル

女性ホルモンは、約28日の周期でそれぞれの分泌量のバランスを変えながら作用しています。

女性ホルモンの分泌サイクル


ホルモンバランスの変化からくる不調

不調の感じ方には個人差はありますが、代表的なホルモンバランスの変化からくる不調についてご紹介します。

月経前症候群(PMS)
月経前症候群とは月経開始の3〜10日前から始まる心身のさまざまな不調のことです。
【症状】イライラや落ち込みといった精神的な症状や頭痛、腰痛といった身体の症状があり、人それぞれです。そのときの体調や生活によって変化し、また月経開始と共に自然に消えたり、軽くなるという特徴があります。
【原因】まだ解明されていませんが、ホルモンの影響と考えられています。
【改善】まず自分の月経のリズムを把握することが大切です。自分にとってストレスとなっている要因を見直し、適度な運動やリラクゼーションを取り入れ、自分にあったセルフケアを心がけましょう。

更年期障害
更年期とは、閉経をはさんだ前後10年くらい期間(平均51歳)のことです。
【症状】更年期には女性ホルモンの分泌が徐々に減り始め、さまざまな不定愁訴が現れます。個人差はありますが、のぼせや顔のほてり、発汗、倦怠感、抑うつ感、イライラ、不眠などの症状があります。
【原因】エストロゲンの減少の他に、家庭や職場でのストレスや不安も大きく影響しています。
【改善】更年期障害の症状は、主に自覚症状なので、なかなか家族や周囲の人間には理解してもらいにくいかも知れません。1人で抱えこまず、周囲に相談したり、家事や仕事などをあまり無理しないようにしましょう。


ホルモンのバランスを整えるために

 女性ホルモンの分泌は脳の視床下部からの指令で行われています。脳の視床下部は精神的な影響を受けやすく、ストレスを受けるとホルモンの分泌量に影響を与えたり、生理の周期が乱れたりします。

ストレス・・・ストレスや疲れ、不規則な生活による睡眠不足はホルモンバランスが乱れる原因となってしまいます。ストレスや過労によってホルモンの分泌が悪くなると、それによって生理不順となり、妊娠・出産に影響を及ぼすだけではなく、冷え、肩こり、腰痛、疲れやすさ、肌荒れなどの症状の原因になってしまいます。自分の心身の声に耳を傾け、適切に労わってあげることが必要です。
食生活・・・ホルモンバランスを整えるために、毎日の食事は非常に重要です。規則正しくバランスのよい食事を3食摂ることは基本ですが、特にホルモンの分泌を改善したり、補う作用のある食べ物をご紹介します。

大豆イソフラボン 体内でエストロゲンと似たような働きをする。豆腐、納豆、味噌などの大豆食品全般に含まれています。
ビタミンB6 ビタミンB6はホルモンの代謝に働きかけ、バランスを整える作用がある。マグロ・カツオといった魚や、ナッツ類、にんにく、バナナにも多く含まれています。
ビタミンE ビタミンEにはホルモンの分泌器官の細胞膜を守り、分泌バランスを整える働きがあります。植物油やアーモンド、うなぎ、かぼちゃに含まれています。 

●禁煙・・・喫煙によって女性ホルモンの分泌が抑えられてしまう作用があります。是非、禁煙しましょう。

女性特有のお悩みは誰にでもあるものです。つらい症状には我慢せず早めに婦人科に相談しましょう。


過去の健康かわら版はこちら

このページのトップへ戻る

財団のご紹介

お問い合わせ

診療時間 平日(月〜金)9時〜17時
人間ドック/健康診断
 TEL:03-3213-0099
外来診療
 TEL:03-3213-0094
巡回健診
 TEL:03-3214-7531
会員制人間ドック
 TEL:03-3212-2864
 FAXは全て共通:03-3213-0097

その他ご案内