麻疹・風疹について
平成27年1～3月に当クリニックで人間ドックを受診される皆様に、 無料で「麻疹・風疹の抗体検査」を実施いたします。 是非この機会に検査を受けられることをお勧めいたします。
麻疹とはどんな病気？
麻疹ウィルスによる急性の全身感染症で、春から初夏にかけて流行します。感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力は非常に強く、手洗いやマスクでの予防はできません。もし罹ってしまったら、治療は対症療法で特効薬はありませんので、ワクチンの予防接種が重要です。一度自然感染すると一生免疫が持続する（終生免疫）と考えられていましたが、様々な理由で免疫力が低下した場合には、感染する可能性があります。
〈症状〉
感染して約10日後に発熱・咳・鼻水といった風邪のような症状が現れます。38度前後の熱が2,3日続いて全身倦怠感や結膜炎症状が現れます。その後熱はやや下がり、再び高熱が出ると同時に発疹が出ます。発疹が現れる少し前に、口の中の粘膜に白い隆起した斑点（コプリック斑）が現れますが、これは発疹出現後には消えて、口腔粘膜は赤く腫れます。発疹は首や額から出現し、顔・体幹・腕から全身へと広がります。この間40度近い高熱が続き、風邪様症状や結膜炎症状が強まります。重篤な合併症（肺炎・中耳炎・脳炎・クループ症候群・心筋炎など）を起こすこともあります。合併症がない場合は7～10日で症状は回復しますが、免疫力が低下しているので他の感染症に罹らないように注意が必要です。
風疹とはどんな病気？
風疹ウィルスの飛沫感染などによる急性の発疹性感染症で、春から初夏にかけて流行します。ウィルスに感染しても明らかな症状が出ないまま免疫ができてしまう（不顕性感染）場合が15～30％あるようです。一度罹ると、ほとんどの方は終生免疫になります。感染力は麻疹ほど強くありません。従来は１～9歳ころの小児に多く見られましたが、近年の多くは成人男性となっています。妊娠初期の、風疹抗体がないまたは抗体価が少ない女性が罹ると、胎児が風疹ウィルスに感染して難聴・心疾患・白内障・精神運動発達遅延などの障がい（先天性風疹症候群）を持った赤ちゃんが生まれる可能性があります。また、男性が風疹に罹って妊娠中の女性が近くにいた場合、風疹を移して先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれてくることも十分考えられます。その他に関節炎、血小板減少性紫斑病、急性脳炎などの合併症を起こすこともあります。
〈症状〉
潜伏期間は2～3週間で、発疹の１～5日前に微熱・頭痛・倦怠感・鼻水・咳・痛みのない口蓋斑点が現れます。38～39度の発熱が3日ほど続いて、顔・耳後部から発疹が全身に広がり、3～5日で消えます。
いずれも15歳以降で感染した場合は、症状が重くなると言われています。
抗体検査とはどんな検査？
検査そのものは、「血液検査」だけです。
抗体検査は、麻疹や風疹が発症しているかどうかの検査ではありません。麻疹や風疹に対する免疫を持っているかを調べますが、免疫があってもその効力が弱まっていれば罹ってしまうことがあります。すでに麻疹・風疹に罹ったという方も、記憶だけの場合や似ている他の病気に罹った可能性もあります。免疫の持続期間は自然感染で40～50年、ワクチン１回接種で約10年と言われていますので、ワクチン接種を受けているのに罹ったということはあります。
抗体検査を受けたあとは？
抗体検査を受けて十分に抗体価があることが確認された場合には予防接種を受ける必要はありません。しかし、抗体価が低い場合は予防接種されることをおすすめします。家族に妊婦がいる場合でも予防接種は可能です。妊婦は予防接種を受けることはできません。 平成23年度の感染症流行予測調査によると20～50代の男性の多くが風疹の免疫を持っていないことが判明しました。 これまでに抗体検査をされたことのない方、罹った記憶がない方、罹ったと思われる方どなたでも、この機会に一度検査してみてはいかがでしょうか。 また、検査結果で免疫が「無い」若しくは「弱い」状態で、発症の可能性がある状態（低抗体価）などの方で予防接種をご希望の場合は、お近くの内科医へご相談下さい （当クリニックでは麻疹・風疹の予防接種は実施しておりません）
麻疹・風疹抗体検査をご希望されない場合はお申し出下さい。
また、お申し出の無い場合は検査を実施いたします。予めご了承下さい。
一般財団法人 日本がん知識普及協会付属 有楽町電気ビルクリニック
施設検診部
Tel 03-3213-0091