ストレスに負けない
本年も残すところ、あと2ヶ月ほどになりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。 最近は「ストレスがたまる」「イライラする」など、大人だけでなく子ども社会でも「ストレス」という言葉が聞かれます。自分の気持ちとどう向き合えばよいかわからず、人や物にあたってしまうことがあります。
ストレスって何ですか?
ストレスという言葉はもともと物体に力が加わったときに生じる「ゆがみ、ひずみ」を指す物理学用語です。カナダの生理学者ハンス・セリエ博士が論文を発表したことがきっかけで、医学の分野で使われるようになりました。例えば、ゴムボールを強く握るとボールはゆがみ、手に抵抗を感じます。手を離すとボールは元に戻ります。ボールがゆがんでいる状態が「ストレスがかかった状態」で、戻ろうとする力が「ストレス反応」、握る力が「ストレッサー」です。つまり、ストレスの原因となるものをストレッサー、それによって起こる体や心の反応をストレス反応といいます。現在はそれらを総称してストレスと呼ぶことが一般的です。
ストレスが続くと?
外部からのあらゆる刺激がストレッサーになり、ストレッサーは身の回りのどこにでもあります。何がストレスになるかは人によって違い、また、同じ人でもその時の体や心の状態によって違います。
※まばたき・首振り・顔しかめ・口すぼめ・肩上げ・足踏み・咳払い・鼻ならし・叫びや単語の連発など、限局した一定の筋肉群に、突発的、無目的にしかも不随意に急速な運動や発声が起きるもの
災害、事故、離別などの非日常的な出来事をきっかけに、強い不安や恐怖が「大きなストレス」になることがあります。それに対して、電車が混んでいる・道路が渋滞している・スーパーのレジが混んでいるなど、日常的にわずかなことで感じる「小さなストレス」があります。大きなストレスは気付かれやすいのですが、小さなストレスは見逃されやすいので、蓄積されていくと心身ともに様々なサインが現れてきます。
自分でも気付かぬままにたくさんのストレスを抱えて、うつ病や不安障害・心身症など心の病を発症する前に、SOSのサインを受け止めて適切に対処することが大切です。
ストレスに押しつぶされないために
ストレスは悪影響を及ぼすだけの「悪者」と思っていませんか?「よいストレス」もあるのです。それは夢・スポーツ・良い人間関係など、自分を元気にしてくれたり、勇気付けてくれたりする刺激で、人生を充実したものにしてくれます。
同じ刺激でも受け止める人によって「よいストレス」になるか「悪いストレス」になるか違ってきます。例えば、ちょうど半分まで水が入ったコップを見た時「半分もある」と思いますか、それとも「半分しかない」と思いますか。世の中にはいろいろな人がいて、いろいろな考え方をします。誰もが自分と同じ考え方をするとは限らないことを理解して、心の持ち方を少し変えてみると、感じるストレスを軽減できる場合が多くあります。ストレス解消には、自分にあった方法で「楽しい」とか「心地よい」と感じられることを選ぶことが大切です。
例えば 、
などです
もし、心のバランスが崩れそうな時は、あなたが信頼できる身近な人に気持ちを打ち明けてください。気持ちの整理ができて、心が楽になることが多くあります。相談できる相手が身近にいない時は専門家の力を借りましょう。全国の保健所や精神保健福祉センター、都道府県や市町村に心の相談窓口があります。また、医療機関を訪れてみるのもよいでしょう。
平成26年6月に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、ストレスチェックの実施等を義務づける制度が作られました。それが「ストレスチェック制度」です。 この制度は厚生労働省が推進する職場のメンタルヘルス対策の一環で、従業員50人以上の事業所に対して、労働者の心理的負担の程度を把握するための検査を義務付けるものです。個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させると共に、検査結果を集団ごとに集計・分析をして職場におけるストレス要因を評価し職場環境の改善につなげることで、ストレスの要因を減らし、メンタルヘルス不調のリスクの高い者の早期発見・防止する取組みです。
参考:厚生労働省ホームページ、トレスケア・コム
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